木綿の浴衣地で仕立てた夏の単衣長着のこと。家庭用のものでくつろぎ着として用いる事が多い。襦袢を着ずに素肌にじかに着る。浴衣は主に白木綿を使って染める。藍で中形に染めたのが中形浴衣で、浴衣地といえばこれをさす。朝顔・柳・濡燕などの涼しげな模様が代表的。絞染の浴衣地としては有松絞が有名。後染でなく、織縞の浴衣地もあり、多く旅館などの寝巻きに用いる。男物には白地の綿絣もあり、阿波しじらなどもある。子供物としてリップル浴衣地がある。浴衣の語源は湯帷子で、普通の帷子に対して沐浴する時に着た麻衣である。民間で着るようになったのは盆踊りの流行した室町末期から江戸初期にかけて。揃浴衣で踊浴衣とともに盆帷子といった。幕末頃浴衣は、単衣や帷子に代って貧しい庶民の普段着となる。